secret act Ⅰ
俯いた視界に翔貴さんの手が見え、私の頬に触れた。
──ドクッ
翔貴さんに触れられ一際大きく心臓がはねた。
「.....裕美..」
そう言いながら私の顔を上げた。
また視線が重なる。
今度は視線がそらせない....
「....裕美.....あの女とはもう会わない。」
────えっ....
それって、やっぱり今日....
あの女は以前、情報と交換に抱くことを条件に出した。
もう会わないってことは、情報を聞けたから?
そして、今日見た後ろ姿....
顔に出ないように、感情を抑えてたのに...
溢れてきた涙を止めることはできなかった。