secret act Ⅰ
「.....裕美....」
泣いてる私を見て翔貴さんが困ったように名前を呼ぶ。
そりゃそうだよね。
私が泣く筋合いはない。
勝手に私がいつのまにか翔貴さんを好きになっていて、それを伝えないことにしたのも自分。
翔貴さんが何をしようと自由だ。
「....裕美。俺は裕美が好きだ。」
いきなりそう言って抱き締められた。
「裕美が今日、俺を見かけたのはお袋から聞いた」
『......えっ』
なんで優菜さんが知ってるの...
「裕美....裕美が泣いているのは何故だ?
俺のこと.......好きになってくれたからか?」
翔貴さんは私を抱き締めている腕に力を込め切なそうに呟くように言った。