secret act Ⅰ
『...........』
「裕美....正直に教えてくれ。」
言うまで離さないとばかりに抱き締める力は緩まらない。
もぅ、無理なのかもしれない。
この感情は押さえるすべを私は知らないし、できない。
『.....情報を聞くためでも私を置いて、あの女とどこか行った時、苦しくなりました。
帰ってきた時、甘い香水の匂いがして悲しくなりました。──────今も。』
そう言うと、翔貴さんはバッと私から離れた。
けど、両腕は捕まれたまま。
『今日、ラブホ街で見かけて.......2人が入っていく後ろ姿を見て泣きたくなりました。
初めての感情ばかりで何故なのかわかりませんでした。
今も戸惑ってます。
本当は伝えるべきではないと......
少なくとも問題が解決するまでは、隠すつもりでした。』