secret act Ⅰ
おまけ

翔貴 (娘 杉野沙世)




《裕美が連れ去られるのを助けた時》


やっと会えた──

ちゃんと顔を合わせたのは5年ぶりだ。


でも、今日の裕美は杉野沙世...
裕美会いたい。そう思ったら

「明日、迎えに行くから待っとけよ」

自然と出た言葉だった。


裕美は一瞬足を止めたが振り返らなかった。

5年前の事は覚えてないか.....


「.....若..明日、学校へ迎えに行くつもりですか?」

右京の問いかけに

「あぁ」とだけ返す。



やっと.......5年かけてやっと見つけたんだ。
裕美の後ろ姿を見つめ、自然と顔が緩む。


「......ぅわ~..若の顔がゆるゆる。」

左京のからかうような声が聞こえたが今は気にならない。


初めて俺が求めた人。

何があっても、何を抱えていても、俺が支えてやる。

だから、そばにいてほしい───


「俺は、もぅ裕美しか見れないんだ....」



(完)


< 472 / 476 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop