secret act Ⅰ
おまけ
翔貴 (娘 杉野沙世)
《裕美が連れ去られるのを助けた時》
やっと会えた──
ちゃんと顔を合わせたのは5年ぶりだ。
でも、今日の裕美は杉野沙世...
裕美会いたい。そう思ったら
「明日、迎えに行くから待っとけよ」
自然と出た言葉だった。
裕美は一瞬足を止めたが振り返らなかった。
5年前の事は覚えてないか.....
「.....若..明日、学校へ迎えに行くつもりですか?」
右京の問いかけに
「あぁ」とだけ返す。
やっと.......5年かけてやっと見つけたんだ。
裕美の後ろ姿を見つめ、自然と顔が緩む。
「......ぅわ~..若の顔がゆるゆる。」
左京のからかうような声が聞こえたが今は気にならない。
初めて俺が求めた人。
何があっても、何を抱えていても、俺が支えてやる。
だから、そばにいてほしい───
「俺は、もぅ裕美しか見れないんだ....」
(完)