secret act Ⅰ
飛翔 (組長と姐さん)
《玄関先で会った後》
車に乗ってすぐ優菜に電話をした。
「もしもし?どうした?」
「クククッ...今から面白いもんみれるぞ」
「はっ!?」
「翔貴のやつ、やっと見つけたらしい─」
「....それって」
「あぁ。しかも兄弟で同じやつらしいぞ。ククク」
「えっ!?.....じゃぁあの子かな...」
「なんだ、お前知ってんのか?」
「優輝が入学式に一目惚れした子なら。
大人びてておとなしそう。
で、少し影がある子。」
「あぁ。たぶんその子だ。
なんか抱えてそうな子だった。」
「あっ来たみたい。引き止めとくから早く帰ってきなよ。んじゃね~」
電話を終わらせ後部座席に深く座り直した。
前にいる側近から
「.....彼女が若の探していた方ですか?」
「なんだ。お前らも気付いてたのか。
さっきの見りゃわかんだろ。ククク」
「まぁ。それにも驚きましたが、彼女の肝の据わりようにも驚きました。」
「確かになっ。
優輝には悪いが、翔貴とうまくいくことを願うよ。」
初めて翔貴が求め、自分から手を伸ばしたんだからな──
(完)