secret act Ⅰ
「はぁ.....若。人の話最後まで話を聞いてください。」
普通の人なら怯んでしまうぐらいイラついている男にため息混じりで左京は言った。
「相沢楓は一ノ瀬和樹が好きだった。そこで自分の父親が取引相手だったことを知って婚約話を持ちかけたらしい。1週間前ぐらいから一ノ瀬和樹の婚約者の噂やデートが目撃されてる。たぶん"オダギリ"は婚約者....」
「「........」」
「だが1週間前からのいきなりの噂やデート。それに、一ノ瀬和樹は留学する。それを考えると婚約話を断るための代役....そうなると"オダギリ"は偽名の可能性が高い。
...............若。Secret actの噂知ってますか?」
「..........いや。」
「Secret act....代役屋みたいなもんです。
2年前ぐらいからいるみたいなんですけど、誰も素性を知らないんです。
打ち合わせは主にネット。会うことがあってもある程度の打ち合わせ後すでに代役になりきって来るらしい。
仕事も依頼を受けたことのある人からの紹介でしかしてもらえない。それでも何かの理由で断られる場合もあるらしい。
今、わかっていることは完璧主義の女性で演技が上手。もしかしたあの女が....」