secret act Ⅰ



「俺も理由がわからないまま協力はできない。大事な友達の知り合いだから。」

兄貴と真剣に向き合う。


「............................5年前に会った女に似てたんだよ。」

長い沈黙のあと兄貴が口を開いた。


「.........5年前?」


煙を吐きながら「....あぁ。」と言った。


「...........俺はその時ある約束をしたんだ。次の日も会えると思ってた。けど、会いに行ったら居なかったんだよ........その後、いくら探しても見つからなかった。
俺もその時バカだったから名前すら聞いてなかったんだよ。..........バカだよなぁ.......」


兄貴は情けない顔して笑う。


「........わかるのはその時の場所と当時、小学生か中学生ってのと、顔だけだ。まぁ顔はきっと変わってるだろうな....」


そう言うと兄貴はタバコを灰皿に押し付けた。


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