secret act Ⅰ
───20分後
ご飯も食べ終わり「まだ、時間あるし一人で待ってるの暇だろうから一緒に待つよ。」
と一ノ瀬先輩が言ってお店を出る。
3人で待ち合わせ場所まで歩いていると、後ろからクラクションが鳴って振り返る。
「あっ兄貴だ!」
藤城君が車に駆け寄ると、後ろの窓が開いて何か話している。
少し離れたところにいるから話し声は聞こえないけど、中にいる人の顔はチラッと見えた。
「....あの人が藤城君のお兄さんなのかなぁ?」
一ノ瀬先輩が呟く。
『.....そうなんじゃないですか?顔似てますよ。』
私はその顔に見覚えがあった。
「............あの人.....藤城組の若頭.....」
更に小さい声で一ノ瀬先輩が呟いた。
『そうですね。』
淡々と返事をする。
「一ノ瀬先輩。前川さん。兄貴来たしもぅ大丈夫だよ。先に悪い。また、来週なぁ~」
藤城君は車のところからこっちに大きな声を出して、車に乗った。
「おう。また来週なぁ」
『バイバイ。』
車が走り出したのを見て、私たちも歩き出した。