13年目のやさしい願い


待っていれば、よかったのかもしれない。



でも、ただ待つなんてできなくて。

不安で、不安で、不安で……。

苦しくてたまらなくて……。



怖くて、怖くて、たまらなくて、

わたしは、カナの名を呼び続けた。



「ねえ、カナ。……起きてよ」



最初はポロポロとこぼれ落ちていた涙が、少しずつ量を増し……。



「……カナ。……カ…ナ」



いつしか、カナの手をにぎりしめたまま、泣きじゃくっていた。



裕也くんがわたしの背中をそっとなでた。



イヤだ。

イヤだ。

こんなのイヤだ。



カナ。

ねえ、起きてよ。

大丈夫だよって笑ってよ。

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