13年目のやさしい願い
8.覚醒
「……心臓が、止まるかと思った」
「ごめん!!」
事故後、どうやら、オレはしばらく意識を失っていたらしい。
気がついたら、ハルがオレの手を握りしめて、オレにすがりつくようにして大泣きしていた。
幸い、オレは事故で意識を失う瞬間のことも覚えていて、
しかも、骨折もなければどこにも出血はないらしい。
頭を強く打ちはしたけど、咄嗟に両手でかばったのはやっぱりよかったらみたいで、大きなたんこぶにはなっているけど、どうやらそれだけで済みそうだった。
一瞬だけ部屋にいた先生は急いでいたらしく、オレに問題がないかだけを手早く確認すると、早々に部屋を出た。
後には、オレとハルの2人が残された。