13年目のやさしい願い
小学生にもなれば、面会謝絶中だろうが一般病棟にいれば、こっそり会いに行った。
そんな時のハルは本当に具合が悪そうで、オレは眠ってるハルの側にただついているしかできなかった。
そして、中学生の時のことは忘れられない。
中学1年の冬に倒れた後、ハルの容態はとても不安定だった。
快方に向かったかと思うと、何度も悪化を繰り返し危篤状態に陥り、ハルは長く生死の境をさまよった。
オレが見舞いに来ている時にも、一度、心停止を起こした。
初めて目の当たりにする、心臓マッサージに電気ショック。
頭が真っ白になった。
蘇生処置の最中、
勤務中だったおばさんと、医院長のじいちゃんが駆け込んできた。
特別室は広かったからか、そんな余裕はなかったからか、オレはあえて出ろとは言われず、
ただ、部屋の隅で、呆然と、一連の処置を見ているしかできなかった。
その場にいるのに、手が届くところにハルがいるのに、
オレには、心配しながら神に祈るくらいしか、できることなんてなかった。
いつだって、戦っているのはハル一人で、
オレには何の力もない。
オレにできるのは、ただ、ハルの側にいることだけで……。