13年目のやさしい願い
「だからね。……ごめんね」
赤い目をしたハルが、オレに謝る。
いや、そこ、謝るところじゃないだろ?
だけどオレは、心配させないでよって怒るんじゃなくて、いつも心配させてごめんねって謝る、
そんなハルが愛しくて仕方なくて、
思わず両手でハルの頬を挟むと、そっと唇を合わせた。
ゆっくりとハルの柔らかな感触を楽しんだ後、唇を放すと、ハルが戸惑ったように、
「……カ、カナ?」
オレの名を呼びながら真っ赤になった。
そして、涙が止まった。
「ハル。大好きだよ」
言いながら、今度はハルの頬にキスをする。
「あの、……あのね、カナ?」
ハルは、何で話の途中で、いきなりこんなことになっているのか分からないんだろう。
困ったようにオレを見た。