13年目のやさしい願い
「大丈夫」
オレはハルの頭を抱き寄せ、頬をぴたりとくっつけた。
少しひんやりとしていて、吸い付くように柔らかくて、
ハルの感触がたまらなく気持ちが良い。
「オレ、男だから」
「……カナ?」
「オレは大丈夫だから、心配いらないよ」
それから、もう一度、ハルの唇に軽くキスをする。
「それにね、オレ、ちゃんとハルが戻ってくるって、信じてるから」
「……カナ」
「いつだって信じてるから」
ハルの目がまた潤みだした。
やばいと思って、オレは再度、ハルを抱きしめた。
……と、そこで、
バンッ!!
「叶太!!」
と大きな声と共にドアが乱暴に開けられ、5つ上の兄貴が飛び込んできた。