13年目のやさしい願い


ハルに買って来てもらった遅い昼飯を一緒に食べて、

警察が来て、事故の状況を聞かれて、

外が薄暗くなりはじめた頃、オレの両親はようやく到着した。



どうやら、兄貴が事前に報告しておいてくれたらしく、病室に入ってきた2人は笑顔すら浮かべていた。



って言うか、親父はオレの顔を見ると、ニンマリ笑って耳元で、



「病院なんだからな。陽菜ちゃんとイチャイチャするときは、ちゃんと人目を考えろよ」



なんてことを言う。



……兄貴。

なに吹き込んでんだよ。



けっきょく一時間ほど病室にいて、色んな書類を書いたり、オレのケガの状態について説明を受けてから、2人は帰っていった。

ハルも同じ頃に、勤務を終えたハルの母さんに連れられて帰った。

ハルは珍しく、もっとオレと一緒にいたいと自己主張していたけど、もちろん許してもらえるはずもなく、おばさんに言いくるめられて連れて行かれてしまった。

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