13年目のやさしい願い
「ムリさせるな」
「はい」
「心労かけるな」
「……はい」
ごめん、ハル。
オレのせいだよな。
ただでさえ調子悪そうだったのに、そこに来て、この交通事故騒ぎだ。
「後、……まず、おまえが、ぜったいに元気でいろよ?」
裕也さんは、オレの頭をガシガシとなでた。
その指が、昨日つくった巨大たんこぶに触れたものだから……。
「おわっ。イ、イタッ、……そこ、痛いって!」
「お、悪い悪い」
あんまり悪いって思っていない顔で、裕也さんは笑いながら手を離した。