13年目のやさしい願い
「ハルがさ、もし具合悪くなったりしたら、保健室に連れてくとか……」
「ああ。力仕事?」
斎藤が笑った。
「オレが、愛しのハルちゃんに触れてもいいなら喜んで」
「……うっわ。おまえも言うようになったね」
斎藤がクックッと笑いを噛み殺す。
「冗談、冗談。……了解。もしもの時は、オレがやるよ」
「悪い」
「いや。でも、牧村、明日、学校来られるの?」
と斎藤は、相変わらず眠り続ける、ハルの方を見た。
「どうだろ? ハルは普段も、割と土日は家で寝て過ごしてるから……」
「あれ? そうなの?」
「ああ」
「じゃ、さ、デートっていつしてるの?」
「……おまえも、そういうの、興味出てきた?」
「一般的な恋愛じゃなくて、おまえに対する純粋な興味だよ」