13年目のやさしい願い
ハルの顔を見ると、思わず、頬が緩む。
「ハル!」
足早にハルの席に向かう。
ハルが不思議そうにオレを見た。
「迎えって、カナ? ……なんで?」
……って言うか、ハル、オレ以外の誰を想像したの?
「なんでって、ハルを迎えに来ちゃダメ?」
「……わざわざ? 学校、お休みしたのに?」
だけど、オレの気持ちをよそにハルは無邪気に言った。
「家で待ってればいいのに」
オレはハルの顔を見られて、こんなに嬉しいのに。
「……しょうがないじゃん。少しでも早く、会いたかったんだから」
「……ん」
オレがハルの鞄に手を伸ばすと、ハルの表情がまた曇った。