13年目のやさしい願い
上から覗き込むと、メールの画面に、未送信のオレへのメールが表示されていた。
『よかった! おめでとう☆』
何とも短い、ハルのメール。
スクロールの必要がないどころか、一瞬で読めるし……。
「貸して」
と、オレはハルの手から携帯を取ると、ポチッと送信ボタンを押した。
「え? もう読んだのに?」
ハルが不思議そうな顔で、首を傾げた。
……やっぱり。
消すつもりだったんだよな。
「寂しいから、ちょうだい。
返事くれなかったの、ハルだけだぞ」
拗ねたように言うと、
「……ご、ごめんね」
と、ハルは申し訳なさそうに身体を小さくした。