13年目のやさしい願い
3.クラス発表
クラス分けの貼り紙の前には人だかりができていた。
わたしは、ドキドキしながら、その人だかりの中に足を踏み入れる。
隣にいるカナは、笑顔を浮かべていた。
だから、わたしは自分が何組かは分からないけど、きっと、またカナと同じクラスなんだと分かってしまった。
去年も、一足先にクラス分けを確認したカナから、
「ハル、1年8組だったよ、今年もまた同じクラス! 腐れ縁だな」
なんてことを言われた。
だから、わたしは、クラス分けの紙を見るまでもなく、カナと同じクラスだと知っていた。
だけど、今年、カナは何も言わない。
春休みにケンカして以来、何となくギクシャクしたままなんだ。
寂しいけど、仕方ない。
だって、それでも、カナを怒らせてでも、わたしは不正は止めて欲しいと思ってしまったのだから。
あれから、頭を冷やしてきたらしいカナが、もう一度やってきて、「前言撤回して」って優しく言ったのにも、わたし、うんって言わなかったから。