13年目のやさしい願い


上から見下ろされている姿勢。

それが不快で、ようやく、ゆっくりとベッドに身体を起こした。

向き合って、彼女の目を見返す。

そうすることで、やっと、対等な場に立てた気がした。



その子は、何事かという顔をして、ほんの少しだけ身を引いた。

一ヶ谷くんの戸惑った顔が、視界の中に入ってくる。



心が痛い。

胃がキリキリと音を立ててきしんでいるようだった。



悔しい。



それ以外に、この感情につける名前を見つけられなかった。

言い返す言葉を持たない自分が悔しかった。



ふつふつと、

ふつふつと、そしてゆっくりと、次第に心の奥の方から、怒りがわき上がってきた。



「……にして」


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