13年目のやさしい願い
うつむいて、手を固く握りしめ、噛みしめるように言ったわたしの言葉に、その子は傲然と返してきた。
「は? なに?」
顔を上げ、その子をまっすぐと見据えて、繰り返した。
「いい加減にして!!」
憤りと怒りに、握りしめた手が震えていた。
こんな暗い気持ちに蝕まれたのは、初めての経験で、この感情をどう処理していいのか、検討もつかなかった。
熟考することなく、言葉が身体の奥底からわき上がって、独りでに飛び出していった。
思わぬ事態に興奮したのか、心拍数が一気に跳ね上がった。
息苦しい。
続けて、何か言わなきゃと思うのに、それ以上の言葉は何も出てこなかった。