13年目のやさしい願い


わたしに、かまわないで。

ほうっておいてよ。



そう言いたかったけど、何か違う気がしてならなくて……。



息が上がってしまい、肩が大きく揺れる。



「な、なによ!!」



彼女は、今にもわたしに掴みかからんばかりの形相。

でも、わたしは、彼女をじっと見返すしかできなかった。



「言いたいことがあるのなら、言いなさいよ! 言えるのなら、ねっ!!」



あくまで強気な発言を繰り返すその子。

わたしには、何も言えないのだと決めつける、その子。



どうして、そんなに強気なの?

なんで、わたしは言い返さないと思うの?



だいたい、カナが好きなのなら、なんで、カナに直接言わないの!?

なんで、わたしに言ってくるの!?



聞きたいのに、声にならなかった。


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