13年目のやさしい願い
カナがどう思っているかなんて、カナにしか分からない。
わたしは、カナと別れたくない。
そう、わたしはただ、自分の気持ちだけを考えればいい。
後に続く、彼女の主張に答えるのは、
それは、カナの仕事……。
もし、本当にカナが、わたしを重荷に思っていて、わたしと別れたいと思うのなら……。
……その時、別れれば良い。
考えただけで、心が切り裂かれるような気がした。
想像しただけで、目が潤み出すのがわかった。
……カナ。
だけど、カナがわたしと別れたいと思うはずなんてない、そこだけは確信があった。
そして、こんなところまで来て、カナと別れろって言う彼女が、
わたしが断ったくらいで諦めるはずがない……なぜか、そんな確信もあった。