13年目のやさしい願い
14.失恋
ハルの調子は戻ることなく、もう4時間目。
朝は帰りたくないと言っていたハル。
残りの休み時間は、会話にすらならなかった。
だから、「今日はもう帰ろう」と説得もできない。
だけど、何の夢を見ていたのか、寝言にオレを呼んだハル。
それだけでも嬉しかったのに、ハルはうっすらとほほ笑みを浮かべて、「好き」と言ってくれた。
あまりの愛しさに、どうかなりそうだった。
その次の休み時間には、ひどく汗をかいて、苦しそうに眠っていた。
もう、ハルの意思はムシして、家に帰した方がいいんじゃないかと思った。
だけど、ハルの汗を拭いていると、一瞬、目を覚まして、眠いって言ったもんだから、動かさないでおこうって決めた。