13年目のやさしい願い
何やってんだよ!
瞬時に、オレの頭の中を後悔が渦巻きはじめた。
ハル、朝から具合が悪かったのに!
オレが駆けつけたときだって、肩で息をしていたし、顔色は悪かったし……。
起きて誰かと話しているような状態じゃなかったんだ。
だけど、目の前に一ヶ谷とか篠塚とかを見つけて、そっちに気が行っていた。
オレの想像は最悪のシナリオで、去年みたいにハルが倒れてるとか、意識がないとか、そういうものだったんだ。
だから、ハルが想像したよりずっと元気そうだったから、すっかり気が抜けて……。
オレのバカ!!
オレが一緒にいて、ここまでムリさせるなんて、あり得ないだろっ!!
「ハル!? 大丈夫か?」
ハルの背をさすりながら、顔を覗き込んだけど、ハルは苦しそうに固く目を閉じていて、オレの方を見ることはなかった。