13年目のやさしい願い


ハルの願いなら、どんなことでも叶えてあげたい。



オレと別れたいってこと以外なら。



……でも、もし、何かの間違いで、そんな日が来ちゃったら、それでも、

すっごくイヤだけど、

オレ、きっと泣くけど、

それでも、そんな願いだって、ハル、叶えてあげるよ。



もしも、ハルが心から、そう願うなら。



ダメだ。

考えただけで、涙が出そう。



なんて、バカなことを考えている間に、長い沈黙が終わり、ハルが小さな声で言った。



「ずっと、……側にいてくれる?」

「え?」

「ずっと、ずっと、カナの側に、いてもいい?」



それが、……それが、ハルの『ワガママ』?

じんわりと、身体中がしびれるように喜びで満たされた。

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