13年目のやさしい願い
オレたちは、付き合うようになってから約束した。
去年のようなことがないように、あんな変なすれ違いが二度と起らないように、何でもちゃんと話をしようねって。
去年、高等部に入学して一月ほど経った頃、ハルの様子がある日突然、おかしくなった。
オレを避ける。
オレを突き放そうとする。
オレから離れようとする。
ハルは何も言わないから、
オレも言葉が足りなかったから、
オレたちは散々すれ違って、……すれ違うだけじゃ済まなくて、ハルは危うく命を落としかけた。
そうして、オレたちは約束をした。
ハルが答えないのを見て、オレは言った。
「ねえ、ハル。約束したよね?」
ハルが困ったようにオレを見上げた。
「何でも話そうって。隠しごとはなしにしようって」
時間はある。
歩きながら話すことはない。
ここで話していけばいい。