13年目のやさしい願い


保健室へ運んでくれたのは羽鳥先輩だと聞いたから、そこを突っ込むと、

具合を悪くしてしゃがみ込んだハルに、イチ早く気づいて飛んできてくれたのが、羽鳥先輩だというだけだと言う。



「そんだけで、何でいきなり告白されてんの!?」



と聞くと、途方に暮れたような顔で、ハル、オレの顔を見た。



「……わたしにも、分からないよ」



オレが怒っていると思ったのか、ハルはそのまま黙ってしまい、会話は途切れた。



しまった。



と思ったけど、後の祭り。



ハルは可愛い。

正直、惚れた欲目とかそんなんじゃなく、可愛い。

抜けるような白い肌に、黒目がちな大きな目、ふわふわと色素の薄い柔らかそうな長い髪。

学年でも1、2を争う可愛い顔立ちをしている。

その上、穏やかで優しくて性格はピカイチ。

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