緋龍と偽姫
side:緋絽
「いいわ。潰してあげる」
そう言って、新見百合は教室に向かった。
「緋絽は酷い奴だね~」
輝が言う。
「なんで?」
「だって…。“緋龍”に喧嘩売るって事は俺らに喧嘩売ってるって事じゃん」
笑いながら岳が言う。
「うちの副総長は強いから大丈夫っしょ。
勝てるの…麗ぐらいだしね」
塁はそう言ってどこかに電話を掛けていた。
“緋龍”を傷つける奴が居るなら…。
俺がぶっ潰すだけだ。
あの女には麗は靡かない。
姉貴に夢中だし…。
姉貴が別れるなんて言ったら…監禁モノだしな…。
「俺らも倉庫に行かね?
下の面子にも根回しせんと」
輝がそう言うと全員で来た道を戻る。
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