緋龍と偽姫
時折子どもみたいな…麗が可愛くて仕方ない。
そんな事言ったら…怒られるかな。
クスクスと笑ってる私の体を…。
シトラスの香りが包んだ。
「緋那…なに笑ってんだよ」
クスクス。
「おかえり、麗」
「ん。緋那…。わりぃ。弁当…ぐちゃぐちゃになっちまった…」
「大丈夫だよ。お昼作るから一緒に食べよ」
私がそう言うと麗は嬉しそうに笑った。
「なぁ、緋那」
「ん?」
「キスしていいか?」
「どうしたの?」
「ん?」
「いつも…そんな事聞かないのに…」
「すげぇ…言いたくなった」
クスクス。
「どうぞ」
優しいキスが角度を変えて降り注いだ。