緋龍と偽姫


どのぐらい…殴られていたんだろう。



痛みも感じなくなるほど殴られた私の体は…悲鳴をあげていた。




「まだ、生きてんのかよ。


早く死ねよ。


化け物は生きてる価値ねぇからさ」




そう言って…。




兄だった人が鉄パイプを振りかざした時だった。





「随分と人の女可愛がってくれたな」




っ…。





最後に…会いたかった…愛しい…人…。





「誰だよ。テメェは?」



「あ?こいつの男だよ」




麗は私を抱き抱えてくれた。





麗…。






会いたかった。



< 33 / 53 >

この作品をシェア

pagetop