緋龍と偽姫



緋那ちゃんは楽しそうに笑っていた。



明るくなったなぁ。



この笑顔を曇らせる訳には…行かない…。



必ず守る。




「姉貴、来週末病院だろ?」



「どっか悪いのか!?」



麗は慌てていた。



「違うよ。足に着ける装具を新しくするの。

軽いのにね」



麗の顔が歪んだ。



緋那ちゃんの足の傷は痛々しい。



消せない傷なんだ。




だけど…緋那ちゃんは笑ってくれるんだ。




だから、俺たちも笑う。





大切な君の為に――



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