緋龍と偽姫
side:緋那
久しぶりに“副総長”になった。
ちょっと緊張。
だけど…麗を好きな女の子を見ておきたくて…。
きっと私の中には泥々で醜い嫉妬の塊がある。
麗には知られたくない感情。
「副総長、あれが“新見百合”です」
何人かの女の子に囲まれてる…。
茶髪で…小柄な女の子。
醜い感情が渦巻く…。
「ヒナさん!!」
面子の1人が私に気付く。
「悪いね。麗は忙しくてね」
私が言うと…彼女は睨みながら言う。
「麗さまに会わせなさいよ!
私は次期姫候補よ!」
「麗からは何も聞いてないよ」
「煩いわね!
私は新見岳の妹よ!」
「だから?」
こんな子に…麗を取られたくない…。
麗を失いたくない…。
私は…麗が居ないと…生きていけない…。
「ヒナさん!こんな奴の話なんか聞かなくて良いですよ」
和馬はそう言って“新見百合”を追い出した。
私は…急いで…幹部室に戻った。