緋龍と偽姫
「岳の妹って…。“百合さま”だろ?」
輝が塁に言う。
「そう、“私のお兄ちゃんは紅龍の幹部で、麗さまと1番仲が良くて、私は次の姫候補なの”って言いふらしてる…。
イタイ…勘違い女」
「紅龍の姫は…緋那だ」
「当たり前でしょ?」
「俺らの事怖がらずに媚びずに真っ直ぐに見てくれたのは…。
緋那ちゃんだけだよ」
俺が言うと、岳が嬉しそうに笑い言う。
「なので…仲間を利用した罰を受けて貰おうと思う訳よ」
ブラック塁の降臨か…。
「で?どうすんだ?」
俺が言うと、塁は口角を上げて言う。