やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
「…主任…やっ、離して…。」
なぜこんな所で
こんな事をされているのかわからず
抵抗する私に
『…嫌だ。
そもそも、亜梨菜が
俺を嫉妬させるからだ…。』
川田主任は言葉を遮った。
さっきからこの人どうしたんだろう?
『嫉妬させたいの?』…って。
そう思い始めた私に
『……亜梨菜。
今ここでは2人きりだろ?
『川田主任』じゃなくていい。
俺を名前で呼んで……欲しい。』
そう言って私を見つめながら
不安が混じったような
切なそうな表情を浮かべた。
その表情にドキッとしながらも
「…えっ!?でも…ここは。」
そう言いかけた私に
『…いいから、呼んでくれ。
頼むよ…亜梨菜。』
主任はさらに私を射抜くような勢いで
ジッと見つめた。
…呼んでいいの?
私は…気をつけていたのに。
でも、こんな主任の表情を
私はあまり見た事がない。
一呼吸置いて
私はドキドキしながら
ゆっくり口を開いた。