やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
「……川田さん。」
正直驚いた。
怒鳴られるし厳しいけど
カッコいい藤堂課長(部長)に
憧れはあったのは事実。
だけど
この人が優しいのはわかっていたから
オフィスラブは
リスクを伴わないとは限らない事を
社会人歴が私より確実に長いこの人が
一番良くわかっているはずなのに
こんな子どもみたいな私に
勇気を出して告白してくれた
この人の想いを信じてみようと
受け入れて以来
私はこの人の彼女になって
秘密のオフィスラブを続けていた。
普段オフィスでは
絶対に呼ぶ事のない呼び方。
間違えて呼んでしまわないように
注意を払い続けていた彼の下の名前。
…とうとう呼んでしまった。
だけど、今の彼は
何だか様子がおかしい。
初めて見せる表情や目つきと
『嫉妬させたいの?』
この言葉に私は戸惑う。
だって…私が彼に
嫉妬して欲しいと思っていたのは
誰にも話していないのだから…。