やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
「…絃次朗さん…どうしたんですか?」
いつもの絃次朗さんとは違うから
戸惑いを隠せない。
すると
『…まだわからないのか?
営業部の男達に
しょっちゅう声をかけられてて
食事にも誘われているのも知ってる。』
身に覚えのある言葉に
私の肩がピクリと反応した。
『…それに、総務部の女性にも
合コンへ誘われてるのも知ってる。』
…えっ!?どうしてそれを…?
すべてが事実だけど
なぜそれをこの人が知ってるの?
「…あの…それは…その。」
しどろもどろになりかけた私に
『…断ってるのはわかってるから
それに関しては怒ってない。
…だけど、あちこちから
良く声をかけられているみたいだし
“彼氏の事をどれくらい好きか?”とか
“藤堂部長にもう憧れはないのか?”って
聞かれていた時に
亜梨菜が即答してくれなかったのを
見た時…俺は…。
……嫉妬に狂いそうになった。」
絃次朗さんはそう言うと
右手で私の顎を強引に上を向かせて
……噛み付くようなキスをした。