やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
やがて唇が離れ
2人を繋ぐ銀色の糸がプツリと切れて
力が抜けた私は彼に凭れかかった。
頭がボーッとなりそうになる。
そんな私を受け止めるように
ギュッと抱き締める彼は
肩を若干上下させて
息を軽くあげながら
『…亜梨菜』と軽く呟くと
『…亜梨菜と付き合っているのに
亜梨菜は俺の彼女なのに
俺はずっと不安で堪らなかった…。』
と、頭上から切ない声で私に囁いた。
「…えっ……絃次…朗さん?」
言葉の意味がわからずに
ボーッとなる頭を何とかあげて
彼を軽く見上げると
声同様に切なげに
そして悲しそうな瞳で
私を見つめる視線がぶつかった。