やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
「…どう言う事?」
言葉の意味がわからなくて
彼がなぜそんな悲しそうな瞳で
私を見つめるのかわからなくて
彼の発する答えを待っていると
『…さっきも言ったけど
他の男から声をかけられてるし
彼氏の事を聞かれても
藤堂の事を聞かれても
亜梨菜が即答してくれなかったのを見て
嫉妬に狂いそうになった。』
…あっ。
『嫉妬に狂いそうになった。』
キスの前に
彼が怒りを含ませながら
発した言葉に私はハッとした。
「…ごめんなさい。
そんなつもりはなくて…。」
私は俯きながら謝罪を呟いた。
……気づかなかった。
嫉妬させたいと思っていたけど
嫉妬させているつもりはなかった。
私の事を陰ながら
そんなに見ていてくれて
嫉妬していてくれてるとは
正直思っていなかった。