やっぱり愛おしい番外編〜亜梨菜Side〜【ファン限定公開作品:短編】(期間限定パスなし公開)
「…ごめんなさい。
….私が好きなのは…絃次朗さんだよ。
藤堂部長に憧れていたのは確かだけど
憧れと好きは全然違うから…。」
「…亜梨菜。」
「…私は絃次朗さんが好きです。
茉優莉先輩から
『藤堂部長が実は嫉妬深い』
って聞いた事があって
大人過ぎる絃次朗さんにも
嫉妬されたらどんな感じかな?
って思ってたのは事実です。
…でも、嫉妬してくれてたなんて
私…気づかなくて…。
…絃次朗さん…ごめんなさい。
知らず知らずのうちに
誤解を与えるよう事をして
あなたを不安にさせて
本当にごめんなさい。」
さっきのキスで掴んでいた
彼のスーツの返り襟を撫でながら
滲む涙を堪えながら
私は謝罪を呟いた。
すると
『……あっ、その…。
俺の方こそ…ごめん。
亜梨菜を怖がらせてしまったな。』
顔をあげると
さっきより申し訳なさそうな表情をした
私の好きな絃次朗さんになっていた。