氷がとけるように。
「あーもう、食べれない」


「そんな無理して食べなくてもよかったのに」


空っぽになったお弁当箱を見る。


「残したら本当に2度と作ってくれなさそうじゃん」


「私だってそんな鬼じゃないし」


気を使ったのかな。
二段に詰め込んだおかずを全部食べてくれた。



「弁当美味かった。ありがとな」


「お茶飲む?」


「ああ、もらう」


プラスチックのコップにお茶を入れ渡す。


私も食べ終え、お弁当箱を片付けている。


ゴロンと横たわり腕を枕代わりして目を閉じてしまった工藤。


「疲れたの?」


「うん?ううん。お腹いっぱいになったら眠たくなった。少しだけ…」


最後は小さい声になり寝てしまった。









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