氷がとけるように。
雲が取れ日差しが出てきていた。


工藤の広がった上着を整え上から膝掛けに使っていたブランケットを掛ける。


眼鏡を静かに持ち上げそっと外した。


見慣れない工藤の寝顔を見る。


目の少し下に小さなホクロを見つけた。眼鏡で隠れて今まで気付かなかった。


水筒のお茶を注ぎゆっくり飲む。さっきまで試合があったグランドを整備している係の人達を眺めながら。


隣には静かな寝息を立てている工藤の寝顔がある。


ゆったりとした時間が流れた。






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