氷がとけるように。
「七海さん、時間まだ大丈夫？」


「うん、全然大丈夫だよ」


「私の話聞いて欲しいなと思って」


「うん、いいよ」


丸い椅子に腰掛けた。


「私、赤ちゃん産むの怖かったんだ。赤ちゃんを産むって行為も怖かったんだけど私の子産んでいいのかなって思ってた」


「うん」


静かに由紀さんの話を聞く事にした。


「私と出会う前に健史さんには仁美さんって言う婚約者がいたんだ。

だけど病気が見つかって発見から１年足らずで亡くなったの。

健史さんは籍を入れたがったけど仁美さんが拒んだって。健史さんには未来があるから私に縛られて欲しくないって。

私、そんな事全然知らなくて健史さん好きになって、毎日のように付き合ってって言ってた。

それを呆れて見てた俊介が健史さん達の事教えてくれたんだ。




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