氷がとけるように。
「このままいい関係が続けばいいなって思ってたのは本当。木村さん魅力的だし、話してて楽しいし」


「魅力的ってお世辞でも嬉しい」


嬉しい事を言ってくれる山下君。


「本当だよ。
俺だけじゃなく、工藤にもそう見えてるんじゃないのかな?」


「どうして今、工藤君が出てくるのよ」


「工藤見てて、バレバレ」


いつもの冷静な山下君に戻ってる。
別に工藤の事をなんて意識してないのにそんな風に言われると恥ずかしくなった。


「…工藤君の事はいいから。彼女さんの話聞かせてよ。もう根掘り葉掘り聞いちゃうからね」


少し動揺してる私を見て笑っていた。
そんな山下君をからかうべく根掘り葉掘り聞く。


1歳年上の介護福祉士の彼女。
取引先の飲み会で彼女に出会ったらしい。
山下君が告白して付き合って2年。
お互い忙しくて些細なケンカをしてしまい連絡しづらくなっていたそうだ。
お互い強情っぱりだからと笑っていた。


再び照れながら話す山下君。


いいな、好きな人と心が通じ合うって。
好きな人が自分を思ってくれてるって幸せな事だもんね。


山下君が羨ましかった。






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