氷がとけるように。
「お母さん、先お風呂入るからね」


「うん」


ドラマがないせいか先にお風呂に入ったお母さん。テレビのチャンネルを変えるが見たい番組がなくテレビを消して部屋に戻る。


携帯のランプが点滅してた。


工藤俊介。


着信時間を見ると5分前。


もう、帰ってきたのかな?
携帯に電話する。


『ごめん。電話した?』


『七海の声聞きたくて』


甘い口調の工藤に笑いたくなる。


『どうしたの?熱でもあるの?』


笑いを堪えて冷静に返した。


『ムード壊すなよ』


『明日、行くから。何が食べたい?
リクエストあったら作るよ』


『七海が食べたい』


『さようなら』


馬鹿な事を言う工藤を冷たくあしらう。


『怒りんぼう。ハンバーグが食べたい』


『了解です』







『七海』


『うん』





『七海に早く逢いたい』


工藤の声が耳元でささやく。


『…私も俊介に早く逢いたい』


工藤のささやきに素直になる心。


フフフと笑い声が聞こえてきた。


『何よ』


『七海、可愛いなーと思って』


『………ばか…』


私が素直になるとからかって。


私達、もう大人なのに…。
高校生みたいな恋愛してるみたい。


大人になったり高校生の気分になったり
でも…楽しい。


工藤と恋愛してる事が。







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