氷がとけるように。
読み終えた小説をテーブルに置いた。


後ろを見るとソファーで工藤が寝ている。
見ていた雑誌は床に落ちていた。


御飯食べた後、エロいDVDを見ることなく工藤は車の雑誌を見ていた。


ダランとなっている左腕をソファーにのせる。
顔を覗き込み眼鏡を外す。


見慣れた工藤の寝顔。
好きになって初めて気付いた。
結構、格好いい顔してた事。


好きになると贔屓目で見ちゃうからかな。
ちょっとした事でも格好いいって思っちゃう。


そんな自分に少し可笑しくなる。


静かに立ち上がり背伸びをする。
掛け時計をみたら3時10分。


浸けてあったお茶碗を洗うため台所に向かった。


工藤のマンションに初めて来た時、台所を見た時はちょっと驚いた。


鍋も調理器具も多く、調味料も一般家庭並に揃っていた。







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