氷がとけるように。
高校時代のあの感覚がよみがえる。


卒業間近のフワフワした感覚。


夢や希望に満ちあふれ自分の将来に大きな期待と小さな不安。
未来はきっといい事があると疑いもなく信じてた。


いつか。


本当にいつかそんな日が来ればいいと思っていた。


あの頃の嘘偽りがない私のメッセージ。





「七海」


横から工藤に抱きしめられた。


「七海、…ベッド行こう」


「……ば‥か………」


「たまには素直にうんって言えよ」


静かな工藤の声。
せつない工藤の声。


そんな風に言われたら言うしかないじゃん。


「…俊介、…ベッド行こう」












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