氷がとけるように。
「七海がいればそれだけでいい」


「…俊介」


目の前の工藤の首に腕をまわす。


「…俊介…愛してる」


…愛してる。


初めて工藤に言う。


微笑んだ工藤の顔が近付き耳にキスした。


「知ってた?俺の方がもっと愛してるって」


………ばかっ……


そんな甘い言葉を自慢気に言って…。
可笑しくて、嬉しくて…愛してる。


唇が触れるたび工藤を実感する。
工藤の中で女になっていく。


触れた肌が離れないように。
私がここにいる事がわかるように工藤を抱きしめた。





いつもわかってた。



心が。



体が。



工藤で満たされてる事。




求めていたのは



愛する事。



愛される事。












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