氷がとけるように。
「高橋さんが『七海ちゃん、結婚するんですってね』って。あの人どこで聞いてくるんだかあんたが結婚するの知ってたわよ」


お母さんが誰かに話した事を聞いたんじゃないって突っ込みたかったけど嬉しそうに話すお母さんに言えなかった。


「工場行くなら晴美伯母さんから貰った水羊羹あるから持って行きなさい」


「うん」


「これからお世話になるんだから挨拶はしっかりしなさいよ」


「うん、わかってる」


いつもの親子の会話。
変わらないんだろうな、私を思って小言を言うお母さん。


それが……親子だね。







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