氷がとけるように。
「木村」


工藤の呼び掛けにドアの前で振り向く。
工藤が私の車の所まで来た。


「何かあったらいつでも連絡しろよ。…これ」


私に小さい紙を渡してきた。


「…えっ。…うん」


工藤の手から受け取り小さな紙を見た。


「車の事だったら何でも言えよ相談のるし、
…同級生だし人生相談ものるぜっ」


私が戸惑っているのがわかったのか冗談混じりで言う工藤。
眼鏡を上げて頭に手をやり私の返事を待ってるいるのか私を見てる。


「たぶん、工藤君だけには人生相談しない」


私も冗談ぽく言い返した。


私の言ったことに笑った工藤。


「またな、木村」


車に乗り込む前に私に手を上げて帰って行った工藤を見送った。


貰った紙をバッグにしまい私も車に乗り込んだ。






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